帝国主義の遺産と東アジア
  • 日付2016.01.14
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書名 : 帝国主義の遺産と東アジア

 

李根旭、崔正洙、金元洙、李英官、崔悳圭、崔德壽、金基潤 共著
ISBN 978-89-6187-355-0 93910

 

 

 

今日、東アジアでの歴史対立では、帝国主義の時代が残した歴史的遺産を考えることができるだろう。東アジアが欧米の帝国主義諸国にとって競争の舞台となって以来、帝国主義列強の膨張政策は、東アジアを傷つける結果を生んだ。帝国主義時代史に関する研究は、歴史の対立を乗り越え、平和と繁栄の東アジア象をつくるために体系的かつ総合的な研究が求められる大事なテーマなのである。この本は、19世紀末~20世紀初、地球レベルで行われた帝国主義の世界化とそれに伴う東アジア世界の変化を考察したものである。また、東アジアに対する帝国主義列強の膨張論理と歴史的事実を段階的に考察するための皮切りとして意味をもつ。

 

 

 

目次

 

対外膨張と国家の行動
国際政治学から見た帝国主義
Ⅰ.帝国主義:概念と研究
1.様々な概念:帝国主義、殖民主義、そして対外膨張
2.帝国そして帝国主義
Ⅱ.国際政治学における帝国主義:対外膨張とその決定要因
1.国際的無政府状態
2.国はなぜ膨張するのか
3.帝国主義論:レニン、そしてその後
Ⅲ.防御的対外膨張:国際政治学的議論
1.安保ジレンマと防御的対外膨張
2.国内政治と防御的対外膨張
Ⅳ.帝国主義のバランスシート:対外膨張は利益か損か
Ⅴ.殖民主義:帝国主義の様々な形態
Ⅵ.国際政治学的観点の貢献

 

アルフレッド・セイヤー・マハンの巨大戦略と「ロシア封鎖戦略」
「アジアの問題と国際政治に与えた影響」を中心に
Ⅰ.まえがき
Ⅱ.「露清併合帝国の登場予定説」とアジア重視論
Ⅲ.ロシア封鎖論と4大海洋列強の連帯論
1.ロシア封鎖論
2.4大海洋列強の国際連帯組織
Ⅳ.米国外交及び軍事改革論
1.孤立主義の終焉
2.モンロー主義の修正
3.軍事改革論と大洋海軍の設置
Ⅴ.結言

 

ハルフォード・マッキンダーと英国帝国主義
エドワード時代の対外政策と連携して
1.まえがき
Ⅱ.マッキンダーの略歴
Ⅲ.20世紀初、英国の地政学的地位と国際関係
Ⅴ.エドワード7世時代の英国外交政策の変化
Ⅵ.結言

 

ドイツ帝国ウィルヘルム2世の植民地政策と東アジア
Ⅰ.序文:植民地競争の背景とドイツ帝国の誕生
Ⅱ.ドイツ植民地歴史とドイツ帝国の誕生
Ⅲ.ウィルヘルム2世の即位とドイツ帝国の植民地政策
Ⅳ.ドイツ帝国の世界政策と東アジア
Ⅴ.結言

 

ロシアの海軍政策と韓半島南北辺境の危機(1885~1887)
巨文島事件と朝清境界問題を中心に
Ⅰ.序文
Ⅱ.英露海軍の対決と韓半島とバルカン半島の接続
Ⅲ.大韓海峡とトルコ海峡の連動:巨文島とブルガリアの危機
Ⅳ.英露の妥協政策と韓半島の南北辺境危機の解決
Ⅴ.結言

 

山縣有朋の帝国主義論と朝鮮
Ⅰ.序文:山縣は膨張主義者ではなかった?
Ⅱ.山縣の帝国主義論の形成と展開
1.壬午・甲申期の軍備拡充論
2.明治帝国議会の開設と「外交政略論」
3.日清戦争と朝鮮殖民論
4.日露戦争と戦後経営論
5.「韓国併合」前後の殖民政策論
Ⅲ.結言

 

帝国主義と科学
植民地の科学の読み方
Ⅰ.帝国から植民地へ拡大する科学
Ⅱ.統治と従属のツールとしての科学
Ⅲ.文化的権威としての科学
Ⅳ.交配され、翻訳され、交渉で専有される科学
Ⅴ.世界化の中でネットワークを通じて描かれる科学